2022/12/11
同人で人生を踏み外した話を聞いてください。
同人で人生を踏み外した話を聞いてください。
私は勉強しかできないタイプの発達障害なので、やむを得ず勉強を頑張っていい学校に行きました。
学部は一番就職に強い工学部にしました。
本当は、小説を書くのが好きで、文系に行きたかったけれど、発達障害が作業所以外で働ける道は少ないのです。
贅沢は言えません。
グレーのパーカーとチェックのシャツが大半を占める灰色の教室で、数少ない女子学生とは全く話が合わず、しかし合わな過ぎて逆に仲は良かったです。
研究室に配属され、院に進学したころにハマったのが同人でした。
研究室で教わった考察の仕方や調べ物の手順、データ・成果のまとめ方など、それを同人に流用するだけで、みるみるフォロワーが増えました。
ゲロみたいな学会原稿を書き、教授にばかほどダメ出しされ、ゼミで詰められる生活を送っていた私は、「仕事できそ~」「なんて知的な文章!」「AB界隈の才媛!」などと誉めそやされ、すっかりいい気になってしまったのです。
ペラペラの中身と、それっぽい体裁だけで簡単に評価される世界、楽勝過ぎる。
私は完全に調子に乗っていたので、同人誌を出すことにしました。
1か月半で作った本で、80万ほど利益を上げました。
え、これワンチャン食べていけるんじゃない???
私は研究に対するやる気を完全に失いました。
というかそもそも、プログラムを書いて膨大な実験データを取り解析にかけるより、パパっと実験して資料を頑張った方が楽だし評価される事実にも気づいてしまったのです。
教授は苦い顔でしたが、学会に来ているメーカーの人なんてのは、どうせ学生の発表なんざ真剣に聞いちゃいません。
同人で「作品の見せ方」を学んだ私は、プレゼンは中身が大事だと考えている男子学生たちより資料作りも発表も上手だったので、実験データ1個しか取ってないのに賞を貰いました。
教授は失笑していましたが、私は企業賞副賞の黒毛和牛に夢中でした。
え、今度推しカプの記念日に友達呼んでステーキパーティーしよ。
そんな態度で同人にかまけていたので、大学院を留年しました。
留年しても卒業できず、結局辞めて、適当な企業に就職しました。
別に、今の人生に不満はありません。
ただ、勉強を頑張って世界に名だたる大企業に勤めるという人生のレールを、同人によって踏み外した話でした。
親、ごめん。
みなさんも良かったら、同人で将来を棒に振った話を聞かせてください。
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