小説・文章自動締め切りまで残り19日ID: oPndet
文章の添削や感想を募集します。
文章力向上のため、感想やアドバイスをいただきたいです。
どんな言葉も感想も全てしっかりと受け止めさせていただきます。
自分の部屋が十分に冷房が効いていることに気がついたのは
窓を開けた時に微温く微かな風が頬を掠めたからである。
扇風機の首と背丈を調節し、風量を最大に。
風は綺麗に緩い直線の道を描き微温い温度へと溶けてゆく。
ベッドに腰をかけた時、視界が広がった。
少し伸びて目を隠していた前髪がそれを通ったかららしい。
横髪が燃えぬよう耳にかけ、ホイールに親指をかける。
これは友人が私の誕生日に送ってくれた物だった。
なにより、私と同じ年に作られたようだ。
私の友人は、そんな洒落たことをする人だった。
自動車の音は夜というものにはまるで似合わない。
煩瑣かった。嫌いだった。夜とは、静かな空間で在るべきだ。
耳を塞ぐようにスマートフォンの音量を上げる。
有名な洋楽なのは知っているが、曲名は知らない。
第一聞いても覚えられないだろうが。
無知が恥ずかしくなり甘い煙に助けを求めようと鼻を向けたが、風の道に乗って自動車に轢かれてしまった。
私の頭の中は忙しい。
煙草を吸おうと体を起こしてから一口吸うまでの間にこれらは私の思考を通るくらいに。
繋げてから四時間経った通話の内容は君の「親しい人の話」からとっくに君の「寝息」へと変わっていた。
寝息と言ったが実際君は、とても静かに眠る。あまりにも静かなもので、時々私は声をかけてしまう。
もちろん返事はない。が、代わりにブーっとスマホの通知音が通話越しに聞こえる。
誰だろう、
こんな時間に。
君が楽しそうな目で話すあの人だろうか、嬉しそうな目で話すあの人だろうか、
嫌そうな目で話すあの人だろうか楽しそうな目で話すあの人だろうか懐かしむ目で話すあの人だろうか
気まずそうな目で話すあの人だろうか寂しそうな目で話すあの人だろうか
答えは知っていた。息が苦しくなる程考えなくとも簡単に答えは分かった。
君は通知音を変えていたんだ、その人だけ。君はただ1人だけを君の中で一番にしてしまう。君の嫌な癖だ。
私は薬に手を伸ばした。体に鎮静をかけよう。落ち着こう。
薬を口内に放り込み近くにあった開けっぱなしの水で嫌な気持ちと共に流し込む。
「これは私の厭な癖だ。」
出した声は水分を含んだ後という事を忘れさせる様で、自分でも聞きとれない。
「んー?何がやな癖なの?」
わざとらしく微温い風にその台詞を吐いたのはきっと、心の何処かで君にそう問いかけて欲しかったから。
申し訳ない、「まだ寝ないで」と素直に渡せないのだ。
こんな人間で申し訳ないね。それでもどうか君を愛させてくれないか、
開いた口からはその六文字ではなく、甘怠い煙が湿気った部屋吐かれるだけだった。
*
知的な人が好きだった。
自分の知らない世界を当たり前なことのように話す貴方が
私は好きだった。
私の知らないお酒、私の知らない煙草。
何方も私は当たり前に触れた事がなかった。昔一度一寸だけもらった事がある。
お酒は果物のものは飲みやすく美味しかったが、ウイスキーは舌が痛く苦味が強かった。
私にはまだ早かったのかな。
煙草は一口吸うと同時に煙さが鼻を刺した。舌が痺れるほど辛く、目に染みもう一度咥えることは出来なかった。
直入に苦手だと感じた。
貴方は是等を好んでいる。まるで知らない世界だった。
別世界の住民の貴方は私にも分かるように貴方の世界を教えてくれた。
いつか、楽しそうに話す貴方の姿を見て私は幸せに抱かれた。
貴方は私が知人の話をしている時、笑顔で聞いてくれた。
それが嬉しくて、貴方と話す度に私は知人の話をしている。
私の貴方を思うこの気持ちは私は隠すことにしている。
貴方を困らせたくない、というのは建前で貴方と離れたくないだけ。
本当は貴方を困らせたくてたまらないのものです。
私はそんな女なのです。それでも今までの様に、
仲良くいてくれますか?
こんな事言えたものじゃない。
こんな事言ってしまったら、
貴方にこの私が醜い人だとバレてしまうでしょう?
私は今日も貴方の辛い煙草の燃る音を聞きながら
ゆっくりと夢へ沈んでいった。
♠︎
ふと、セブンスターのパッケージの星の数が気になった。
数えてみようか、
そう思ったが生憎手元にセブンスターは無い。
新たに買っても良いが、あれはどうしても口に合わなくて四口も吸えない。
結果私はインターネットに頼って検索してみることにした。
便利な時代に生まれてきた。
大きな7を模る金の星は308個
封緘紙の白い星が126個
全体のシルバーの星が約2815個
合計約3249個 とのことだ。
ふぅん、と携帯を閉じる。
だから何だ。と自分を嘲笑した。
気になると直ぐに調べてしまう。
好奇心旺盛と言えば聞こえはいいが、何をしていてもこの癖のせいで進行していたことの手が止まってしまう。
やれやれと思いながらまたキャンバスへ臍を向けた。
画家なんて大層なものではない。文字も書く。五線譜にも触れる。
はんだも触る。
自分の知らない事があるのが悔しく色々なものに手を出した結果
どれも平均値ばかりを叩き出すことになってしまった。
二兎追うものは、というやつか。
そんな中途半端な自分が嫌いだ。軽蔑すらしている。
しかし君はそんな私を素敵と言ってくれた。
目を輝かせて私の作品に触れてくれた。
納得のいかないゴミばかりを生産していた頃にも、君は私の傍に居てくれた。
初めての温もりに私は慣れないながらも甘えていた。
そのまま私は君へ沈んでいった。
一つ君に聞きたいんだ。君はどんな花が好きですか。
その花は何色ですか。その花を君に送ってもいいですか。
直接聞こうか迷ったが、思い立った時君は目の前にいなかったので
今度にしようと、また筆に色をつけた。
*
「赤いロベリアが好きです。ほら、花びらがすらっとしていて綺麗でしょう?」
公園のベンチ、私は私の匂いのしない花柄のワンピースを着ていた。
「ロベリア、直接見たこたないな。どんな見た目だったかな。」
「こう、紅色の折り紙のような。あれを見ると私いつも折り鶴を思い出すんです。」
「はぁ、確かにそんな見た目だったね。しかし紅色の折り鶴とは、よく喩えたものだ。君のその感性には脱帽だよ。」
「そんな、褒めすぎです。でもありがとう。」
貴方はいつもの眼鏡を外し、赤い私を見て嬉しそうに微笑んだ。
あぁ、よくない
そんな顔をされてしまっては、もう私が赤い理由なんて
説明がいらないです。
ペットボトルのストレートティーはとっくに温くなっていたけれど
それも心地良く感じた。
横の貴方にバレぬよう深呼吸をして少し近づく。
貴方の動きがぴたりと止んだことに気がつき、しまったと私まで固まる。
突然強く吹く風に脅され、そのまま貴方へ体を預けた。
「暁恵さん、急にこんなことを言われて、驚かれるかもしれません。それでも貴女を独り占めしたいです。」
世界はこんな状況でも止まってくれない。鳥の囀り、風が葉を揺らす音。
見事に咲いた蒲公英に見られながら、貴方の台詞は続いた。
「僕とお付き合いしていただけませんか。楽しい日々をきっと、約束します。」
♣︎
「火、貸してくれるか?」
君は胸ポケットから随分懐かしいライターを差し出した。
「まだ持ってたのか。もう使えないと思っていたよ。」
「あぁ。一度インサイドユニットを変えたかな。ほら、君がくれた頃はここがシルバーだった。」
「もうよく覚えていないよ笑」
照れ臭くなり下を向いた僕の顔は副流煙を全面に受けてしまった。
無言が続く。いつものことだが、いつもと訳が違う。
「で、何だよ。」
「え?」
拍子抜けた声で聞き返してしまった。何のことかはわかっているのに。
「用があって呼んだんだろう。君はいつもライターを忘れたりしないし、このライターは毎週見ているはずだ。
何より、何も言わなくても私たちはこの喫煙所で会うというのに、わざわざ連絡をよこしただろう?」
君はずっとすごい人だった。僕の考えていることなんかずべてわかっているように話す。いや、
全部わかっているのだろう。今から僕がいうことだってわかって居るはずだ。
じゃあ何故わかっていないフリをするのか。それは認めたくないからか
信じたくないからか。僕のことを思ってか。
僕は覚悟を決め、君の方を見た。
♠︎
カンっ、という音がき喫煙所に鳴り響いた。おそらくライターだろう。
それを拾い上げた君が何かを言っている。
ただどうしても聞き取る事ができなかった。
ポケットにキャンバスを作る用のナイフがあることを思い出した私は
ほとんど無意識のまま彼を刺していた。何の躊躇いもなく、何度も刺していた。
ふと正気に戻ってから私は信じられないほど冷静にたった今凶器になったナイフをポケットに戻し、
喫煙所を出て、土手沿いを歩くことにした。
「あの、これ落としましたよ」
後ろから女性の声。私が振り向いた途端女性は私の落としたであろうブラックデビルを落とし、走って逃げてしまった。
何故だろう、と顎に手を伸ばすと、ヌルっと手に何か付着した。
「あぁ、返り血、」
そう呟いたとほぼ同時に後ろから「すみません」
と声をかけられた。
「はい、」
振り向くと2人の警官が厳しい顔をして立っていた。
きっと返り血まみれの私を見て近所の誰かが通報したのだろう。
何も反抗をせずに私は警官について行くことにした。
*
警察からの電話を聞いた時、世界から全てが無くなった。
彼が殺されたらしい。彼の昔からの友人に。
その人は私も知っている人だった。最近は忘れていたが、約一年前に私に思いを伝えてくれた方だ。
彼の紹介で私はその人と出会った。無口で何を考えているかわからなくて怖かった。
少し気味が悪いとすら思った。
それでもだんだん日を重ねるうちに三人で出かけるほどには仲が良かった。
彼とその方は本当に仲が良くて、相棒のような関係性だった。
しかし、最近彼らか一緒にいるところを観ていなかった。
彼はもうこの世界にいない、そう思うと激しい怒りを覚えた。もちろん、その友人、銀汰さんにだ。
何故、よりによって私たちが結ばれたこの時期に、
いや、私たちが結ばれたからだろうか、わからない。
どれだけ考えたって私は今、泣くことしかできなかった。
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登場人物3人の造形や関係、キャラクター性や内面等が初見では少し分かりづらいです。 そのせいでストーリー構造も理解しにくいです。 文中で説明しないのであれば、先に簡単なプロフィールを付けておくなど工夫するといいかもしれません。