ID変わってるけど返信両方トピ主です!!
(あ、削ると言いつつ全体の文字数的にはそれほど変わってないうえ行数は増えてますね……なんかすみません)
頭の中でひとり呟いていると、不意にのしっと肩が重くなった。振り向くまでもなく分かる。Bだ。 「なーに気持ち悪い顔して見てんだよ。にやにやニヤニヤしてさあ」 「気持ちわる……!?お、俺が何見てようがてめぇには関係ねぇだろバカ!!」 肩に乗せられたBの肘を勢いよく払い除ける。彼は「おっと」なんておどけた声を上げて体勢を整え、さっきの俺の視線を辿るようにして目を凝らした。 「C……と、Dか。なに、Aお前、Cに気でもあるわけ?」 Bが妙に神経を逆撫でする笑みを浮かべながらまた俺の肩に肘を乗せてくる。俺はそれを、今度はもう少し強めに払いながら言い返した。 「俺はな、てめぇみたいな見境なしじゃねぇんだよ」 そこではたと思い当たる。そういえばBは最近よくあの2人と連んでいる。この男に探りを入れれば、2人の情報が少なからず手に入るんじゃないだろうか。相手がこいつだというのが癪に触るが、まあいい。善は急げだ。懲りずに俺の肩を肘掛けにしようとしてきたBの襟ぐりを掴み、耳元に顔を……否、耳元を顔に引き寄せる。 「あいつら、最近距離が近くないか?」 Bは不自然に身を固くして沈黙した。ほんの少しの気まずい間が開いてやっと、彼は返事をした。 「んー、まあたしかに……うん、そうかもねえ」 何とも曖昧な答えだ。Bは俺の手を掴んで襟ぐりから離すと、ゆっくりと俺との距離を空けてから続けた。 「最近おなじ漫画にハマってるみたいだし、その話じゃない?」 「いや、そういうのじゃなくてさ、こう、なんて言うか……」 良い説明が思いつかず、空を捏ねるように手を動かす。Bは腕組みをしてそれを見守っていたが、唐突に余裕ぶった微笑を浮かべると、俺の顔を覗き込んだ。 「なあ、2人の関係が気になるの?それって保護者目線?友人として?それとも野次馬みたいな感じ?」 これは彼が口裏を引こうとする時の仕草だ。長い付き合いだから知っている。こいつ、どうやら俺を相手に逆に探りを入れに来ているらしい。……だが、何を?思い当たる節すら全くない。仕方なし、俺は素直に答えることにした。 「両方だよ。あの2人の仲が良いのはいいことだろ。相性も良さそうだし、やり取りだって雰囲気がこう……丸くて」 「あー……」 Bは何故か口元を引き攣らせて肩をすくめた。そのぬるい諦めを感じさせるような態度が癪に触って、俺は彼を睨みつけた。 彼は考え込むように空に目をやり、それから曖昧に笑って質問を重ねる。 「それじゃあ、あの2人が付き合うとしたら?」 「最高だな」 即答した。最高だ。最高の光景だ。可愛い弟と可愛い友人が恋仲になってくれるならこんなに嬉しいことはない。言うなれば、まさにパラダイス。真顔でそんなことを考える俺とは対照的に、Bは呆れを滲ませた声で言った。 「まあまあ目を輝かせちゃって」 「なんだよ」 「いや別に?お前ってほんと好きだよな、CとDのこと」 そうして彼は踵を返し、投げやりな言葉を残して2人の方へと歩き出した。
海に素足を浸すと、青が染み込んでくるような気がする。膝まで浸けると透き通り、腰まで浸かると消える。頭までどぷんと沈んだなら、そうしたら、私の体は果てのない世界の中に、すり潰されながら、押し流されながら、無限に溶けてゆくのだろうか。そんな風に考えて、Aは思わず自分を笑った。単なる思考遊びだ。幼稚で、夢みがちな。母なる海だなんて言っても、還ることなどできないと分かりきっているだろうに。 ……息を止めて、潜る。水が全身に絡みつく。専用の器具をつけてもっと深く潜れば、海の色は深く、暗くなる。それはきっと自分の細胞の色だとAは思う。眠りに落ちるような、重い黒。肺さえ潰す場所でなら、逆説的に呼吸ができるのではないだろうか。見たことのない底の世界に思いを馳せる。 人の声が遠い。口から溢れ出た泡が光る水面に辿り着き、空へ向かって飛んで行く。それこそが、自分はここでは異物であるという証明に他ならないというのに。 どぷん、と近くで音がした。 彼の体から現れた細かい泡が、光になって水面に溶ける。逞しい腕が青を掻き分ける。海よりも青いBの瞳が、Aを捉える。海が、青が、彼に溶ける。目の奥が熱くなった。 今、自分は泣いたのかもしれない。Aは考える。しかし、それが涙なのか、海水なのか、Aにはとても判別がつかなかった。 Bの姿はあっという間に目の前まで迫ってきていて、そうして視界が塞がれたと思ったら、Aの頭は気がつけば海の外だった。 「大丈夫かい?足でも吊った?」 軽口の割に、分厚い胸板から伝わってくる鼓動は絶える間が無いほど速い。顔を上げて、Aは答えた。 「潜っていただけです。ご心配をおかけしてしまったようで……申し訳ありません」 「ああ、そっか、潜って……え?んん?本当に?君ずいぶん長いこと上がってこなかっただろ?」 呆気に取られて力の抜けた彼の腕を、水中からくぐるようにしてすり抜けてみせる。彼は、Aの元いた場所とAの顔とを交互に何度か見比べて、気の抜けた笑いを浮かべた。 「……うん、まあ良かったよ。俺の早とちりで」 そして、彼はくるりと向きを変えて、岸に向かってジャブジャブと泳ぎ出す。Aが付いてくるのを疑ってすらいないようだった。 「それにしても、A、君すごいね!あんなにずっと潜水していられるなんて!一体どんな肺の構造してるんだい?」 彼とは対照的に、Aが泳いだ後には水飛沫ひとつたたないのだ。広くがっしりとしたBの背中が眩しい。空気も、水も、光も、全てが彼のためにあった。Bは相変わらず振り返らない。……その自信に満ちた姿が、時折疎ましくなることがある。空気にさらされた頭蓋が重い。 彼の背中に向かって、心の中で呟く。 ーー分かってください。私はあなたが憎い。 どうしてか、祈るような思いだった。
私も字書きです。 拝読しましたが率直に①も②もとてもテンポがよくて読みやすい文章だと感じました!特に②(三人称)のほうがトピ主さんのどちらかというとかっちりめな文体に合っているような気がします。 ①も話の作り方がすごく好みだったのですが、一人称の場合はもう少し砕けた感じで書いてみてもいいのかなと思いました(キャラクターの性格にもよると思いますが)。でも本当にきちんとした文章で読みやすかったです。同ジャンルなら絶対ファンになってると思います〜〜 添削でもなんでもない浅い感想ですみません!いろいろ悩みどころと思いますがお互い創作頑張りましょう、、
① について ・「おっと」なんて →「なんて」が「と」でもいい気がします。 AはBを軽く見てるからでしょうか。 ・耳元に顔を……否、 →訂正はなくても大丈夫というかその後の文と違いがあるのか理由がわからなかったです(こちらの読解力不足ならすみません…) ・ぬるい諦め →ぼんやりしていてイメージが湧きにくかったです。 Aから見てわかることは曖昧にせずBが呆れてるなど、はっきりさせるとわかりやすいような。 ・Aは誰が好きというわけでもない? 弟(D)とCが仲良くなればいいということでしょうか。 BはAに気がある(?)ようですが、Aが誰にも気がない場合、ちょっと退屈かなと思います。 A→Bの話ということでいいのでしょうか。 それともBはCとDとも関係があるのか。 関係性が気になりました。 トータルでいうとA視点ではなくB視点か三人称一元視点か神視点だと個人的には刺さりそうです。 二次なのかオリジナルなのかにもよりますが、とにかく関係性の説明があればより楽しめそうです。 ② について 彼の体から →「彼」よりAかBどちらなのか書いた方がわかりやすいと思います。Bかなと思ったのですが(自信がないので間違ってたらすみません) AはBに憧れを抱いているが故に憎いのでしょうか。 どうして海に?という疑問が湧きました。 絶望感があって海に入水していたのか。 シチュエーションが特殊なのでその経緯が気になるストーリーでした。 添削する技能もないのですが、①は三人称で②は一人称の方がストーリーに合ってるような気がしました。 注文ばかりつけてる気がして申し訳ないです。 字書きなのですが、書く時は悩むことが多いので共感します! 自分の場合だと比喩表現が苦手でどちらかというと説明的に終始してしまうというか。 流麗で起承転結があってきっちりとまとまっている文に憧れます。 なので表現は②のタイプがトピ主さんの長所かなと思いました!
コメントありがとうございます! テンポが良いと言っていただけて安心しました……! 前から一人称視点に苦手意識があったのですが、コメ主さんの言う通り文章の崩し方の度合いの問題かもしれないと思いました。 一人称の場合はもう完全に主人公の心の声として地の文を書いてもいいのかもと考えたり…… ありがたいお言葉たくさんありがとうございます〜!自信とか勇気とかがゴリゴリ湧いてきました!! 本当に創作悩みがつきませんよね……がんばります……!がんばりましょう……!!
一度返信の内容が全部消えちゃって遅くなりました…… 細かく見てくださってありがとうございます〜!! 両方とも特殊な設定の小説のボツ文ゆえに詳しく書くと小説を上げた時に分かってしまうかな……などと思いすぎるあまり、説明不足になっていました……申し訳ないです…… ① A,B,C,Dの4人グループの中で、視点を切り替えながらお互いの気持ちに対する勘違いが加速していってストーリーが展開するという形式の小説の一部分(になる予定)でした。 そのため感情の矢印が死ぬほど分かりづらかったですね……!反省してます…… AとBは以前付き合っていたけれど円満破局。A→Bに若干未練が残っている、という関係性です。 ただ、抜粋した部分がB→Aの矢印をミスリードするために入れ(ようとし)た部分なので、より一層ややこしいことになっていました…… 実際のところはC(弟じゃない方)→Aに矢印が向いていて、CはAとBが付き合っていたことを知らずに友人のBに相談、Bは実はCについて探りを入れている……という一幕でした。 文字に起こしてもややこしい上に説明もなくて本当にアレでしたね……!!後出しだらけでごめんなさい!! ・「おっと」なんて →AとBは最悪に仲が悪い(でも親友)みたいな公式設定がありまして、お察しの通り、AがBを軽く見ているということと、もうひとつはBの軽薄な態度を表現したくて「なんて」としていました。 ただ、今読み返してみるとたしかに一文中で「て」が連続していたりテンポが悪かったりで「と」にした方が良かったな……と思いました。 普段からこういうことが多いので、文章気をつけて読み返す癖をつけようと思います…… ・耳元に顔を…… →Aが自分から顔を寄せるのではなく、Bの体を乱暴に引き寄せているというのを表現しようとしていました。でもたしかに分かりづらかったです!! 自分の頭の中の映像ありきで文を考えてしまう癖があるので、気をつけようと思います……! 自分では絶対気付きませんでした!ありがとうございます!! ・ぬるい諦め →「お前ほんと鈍感だなぁ」とか「Cも可哀想に」とかそういう感じの諸々の感情を表したかったのですが、なかなかぴったりくる言葉が見つからず…… でもコメ主さんのご意見を読んでいて、一人称の場合はあくまでA視点なのだから、Bの感情については細かく考えても仕方ないんだと気が付きました。 A視点でBがよく分からない微妙な表情をしていたら、それはよく分からない微妙な表情以上の何物でもなくて……みたいな…… ・Aの感情 上に書いた通りです!!本当に言葉足らずだったなとめちゃくちゃ反省してます…… CとDに関しては、大好きな2人が仲良し……!!推せる……!!っていう、壁になりたいオタクみたいな心境だと考えていただけると!! ・人称 →いつも視点をノリと勢いで決めていたので目から鱗でした!! ①は感情描写が少ないから三人称向き、逆に②は感情描写がメインだから一人称向き、というような感じですかね……? 小説ド素人なので、ひとまず一人称と三人称の効果とかメリットデメリットとか学んでこようと思います!! ・Aの感情 →上の通りです……めちゃくちゃ反省してます…… 本当はこのボツ文の前に、CとDについて推せる……!って感じのAの一人語りが入っていました。 AからCDに対しては、可愛い……尊い……推せる……!!っていう、壁になりたいオタクみたいな心境(のつもり)です。 ② ・彼の体…… →Bの体で合ってます!!やっぱり分かり辛かったですよね……!! Bが海に飛び込んできた段階では、AはまだそれがBだとはっきり認知できてないだろうなと思って、苦肉の策で彼にしていました…… 小さな泡がたつ描写をする前にBの身体的特徴を列挙するなどして、AがこれはBだ!と認識する過程を前に出せばBの体と明記できたかもなと今ふと思いました。 AとBに関してはちょっと特殊な関係性でジャンルが割れそうなので、フェイク込みですが…… 大人の事情諸々でBとAはどうしてもジャイ○ンとス◯夫的な関係性にならざるを得ない、なおかつAはBの庇護下にあって身動きをとれない事情がある、という設定です。 そういう歪などろどろした関係とAからBへの憧れが化学反応を起こして、「憎い」という感情になっているというイメージです。 シチュエーションとしては絶望して入水というほどでもなく、「消えてしまいたいな〜」程度のメンタルのヘラりからくる自サツごっこという……こう……ふわっとした感じで考えていました。 Aとしても入水なんていうつもりは毛頭なく、何とな〜く潜ってただけ、みたいな…… やっぱりジャストで伝わらないですよね…… もっとパキッとした直接的な言葉を入れた方が良いのかなぁと思いつつ、どうしても上手くいかず…… コメ主様の文章、とても分かりやすいと思っていたら文章を整理して書くのが得意な方だったんですね……!!めちゃくちゃ憧れます……!!!! 文章を書いている時に、私自身、①よりも②の方が書きやすいので長所と言っていただけると勇気モリモリです!! 本当にたくさんコメント書いてくださってありがとうございました!とても参考になりました……!
返信ありがとうございます。 こちらへの返信は不要ですが一応補足で追記させてください。 コメントする際にとんだ誤字をしてたことに気づいたのですが(A→Bと書いてしまったところは)B→Aの話かと思っていました(なのでトピ主さんのミスリード自体はその通り伝わってます!) 肝心なところを間違えてわかりづらくなってしまいました。 A視点だったので結局(若干未練があるという範囲にしても広い意味では)A→Bでも合ってたんですね。 逆にB→Aではなかったと。 てっきりBはAが好きだからAがCを好きなのか探ってるのかと思っていました。 実際はキャプションなどに説明があれば内容はわかるのであまり気になさらないでください。 詳細を知って納得です。 二次だからフェイクを入れていただいたと思うのですが、詳しくわかると解像度が高まって印象が変わりました。 Aから見てCDの関係を応援しつつ、拗れてしまった(?)Bとの関係も複雑だと思って読むと面白いです。 A→B→C→Aということですかね。 設定を知ると最終的にどうなるんだ!?と期待させる内容になってると思います(どのCPでまとまるのか誰も成立しないのかなど) ・引き寄せるという意味で書かれていたのをやっと理解しました(単にこちらの読解力不足です) Aの行動に深い意味がない場合はさらっと書いてもいいかもしれませんが、ABが好きな方が読むなら物理的接近は嬉しいシチュエーションかも。 ・関係性がわかると「なんて」で違和感ないので大丈夫です。 AとBの関係がはっきりとはわからなかった(初見だとAはBがやや嫌いなのか、それとも好きなのか?と判断に迷っていまして)ことにより疑問に思っただけなので。 後から詳しい説明を読むと、全く知らない第三者にすら部分的でも伝わってるので、もしも投稿されるとしたら特別難点はないような気がします。 再度活かせるネタだと思いますが、特定を避けるのも兼ねて推敲してご自身で気に入るくらいまでちょこっと変えるくらいでいいような。 ②も複雑な関係なんですね。 もし自作で事前設定なしに書くとしたらトピ主さんが書かれてるような雰囲気は伝わらないか書きすぎてる(直球で説明しすぎてる)と省みる次第です。 雰囲気的にはもしかして一次なのかなと思ったほどです。 自分は二次しか書かないのですが、情景描写が苦手でついついセリフに頼ってしまうため、そう考えるとトピ主さんは思い悩むほどではないかと思いました。 ②が書きやすいのなら①にも似たような描写を増やすと面白そうです。 各キャラ視点で感情が出てると読む側はのめりこめると思うので。
頭の中でひとり呟いていると、不意にのしっと肩が重くなった。振り向くまでもなく分かる。Bだ。 「なーに気持ち悪い顔して見てんだよ。にやにやニヤニヤしてさあ」 「気持ちわる……!?お、俺が何見てようがてめぇには関係ねぇだろバカ!!」 この時点で私にはどちらがAでBなのか分かりません。その理由は ひとり呟いている 一人称の人が居たのに なーに気持ち悪い顔して見てんだよ。 と見る動作に対して声をかけられているからです。勿論この前に見つめる描写がありますね? 無ければこの後の さっきの俺の視線を辿るように で「ああ視線を送ってたのが俺なのね」と読者が理解するのですが、ちょっとわかりづらいと思います。 いちいちAが、Bが、と書かずにわからせるには、喋り方にそれぞ特徴を持たせ、差を出せるといいですよね(キャラ的に制限あると思いますけど) 〜じゃねえ と 〜じゃない を場面というよりABで分けるとか。この感じだとテンションによってふたりの口調が同じように変化しているように思えます。 対して地の文が一人称なのに普通で、〜ねぇと喋る口調から浮き気味にも思えます。 あと好みかな… 肩と肘 襟ぐりと掴むの動詞 こういうのが続くとしつこいと思ってしまいます。 気まずい間が開いて 正しくは 空いて ではないでしょうか(漢字) 途中からBではなく彼に変わるところや 耳元に顔を……否、耳元を顔に と強調するのもあまり意図が読めません。 あと 仕草だ と言っているけどそこ仕草じゃないですね。この文はセリフの前が良いです。 両方だよ 候補は3つ。全部ってことでしょうか…と思ったら野次馬ではなさそうですね。 〇〇が言った。 「〜」 のパターンがほとんどのようなので、変えてみますね。 以下勝手に書き換えてみました。少し削りましたがもっともっとシンプルな場面でいいと思うし、もっとセリフを変えたいです。 Bが余裕ぶったり固くなったり呆れたり不安定な割に、それが何を表しているのか(Aへの嫉妬?)わかりにくいなと思います。 わかればもっと削ってそこを書きたいです。 あと音読してもっとリズム良くしたいです。最後のセリフだけ大きく変えましたが全体的にリズムが、良くないような。全体的に要らない形容詞や副詞が多いかと。 ※※※ 頭の中でひとり呟いていると、不意にずしりと肩が重くなる。振り向くまでもない。Bだ。 「なーに気持ち悪い顔して見てんだよ。ニヤニヤして」 「気持ち悪いだと? 俺が何見ようがてめぇに関係ねぇだろバカ!!」 言いながら、Bの肘を勢いよく払い除ける。「おっと」なんておどけて体勢を整えると、Bは先程までの俺の視線を辿り、妙に神経を逆撫でする笑みを浮かべた。 「C……と、Dか。なに、Aお前、Cに気でもあるわけ?」 またも俺の肩に肘をついてくる。それをもう少し強めに払いながら「俺はな、てめぇみたいな見境なしじゃねぇんだよ」と言い返し、そこではたと思い当たる。そういえば最近Bはあの2人とよく連んでいる。ここで探りを入れれば、2人の情報が手に入るのではないか。相手がこいつだというのが癪に触るが仕方がない。善は急げだ。懲りずに俺を肘掛けにしようとするBの襟ぐりを掴み、ぐいとこちらに引き寄せる。 「あいつら、最近距離が近くねぇか?」 Bは不自然に身を固くし、ほんの少しの気まずい沈黙の後、何とも曖昧に答えた。 「んー、まあ確かに……うん、そうかもな」 そして俺の手をひきはがすと、ゆっくりと距離を取ってから続ける。 「最近おなじ漫画にハマってるみたいだし、その話でもしてるんじゃないか」 「いや、そういうのじゃねぇよ。こう、なんて言うか……」 良い説明が思いつかず、空を掻くように手を動かす。ああもどかしい(とか急に入れてみるのどうでしょう。一人称っぽさが増します)。Bは腕組みをして見ていたが、唐突に余裕ぶって俺の顔を覗き込んだ。口裏を引こうとする時の仕草だ。長い付き合いだからわかる。 「なあ、2人の関係が気になるか? それって保護者目線? 友人として? それとも野次馬みたいな感じ?」 どうやら逆に探りを入れに来ている――だが、何故? 思い当たる節は全くない。俺は素直に答える。 「あの2人の仲が良いのはいいことじゃねぇか。相性も良さそうだし、やり取りだって雰囲気がこう、丸くて」 「ふーん」 今度は何故か口元を引き攣らせ肩をすくめた。そのぬるい諦めを感じさせるような態度が癪に触り、俺はBを睨みつける。彼は考え込むように宙に視線を漂わせ、曖昧に笑うとさらに質問を重ねてきた。 「それじゃあ、あの2人が付き合うとしたら?」 「最高だな」 これには即答した。最高の光景だ。可愛い弟と可愛い友人が恋仲になる。まさにパラダイス。こんなに嬉しいことはない。真顔でそう考える俺に対し、Bは呆れた声で言う。 「なんだよ目キラキラさせて」 「悪いか」 「いや別に? お前ほんと好きだよな、CとDのこと」 そう投げやりな言葉を残し、Bは2人の方へと歩き去った。 一人称の方だけでめっちゃ時間かかっちゃったので、とりあえずコレで! 三人称の方が読みやすかったですよ!
ひとつめのほう、確かにちょっとテンポがよくないかも。ざっくり削る方向で修正してみました。 一文を短く、描写を足し引きしています。あまり文体を崩さないよう気を付けたつもりですが、やりすぎた部分があるかと思います、すみません。一人称で書かれていますが、三人称で「Aは」とするところを「俺は」と書き換えた程度の印象でしたので、多少意識して一人称っぽさを出しています。 ------------------- 頭の中で呟いていると、不意に肩が重くなった。 「なーに気持ち悪い顔してんだよ」 「てっ、てめぇには関係ねぇだろバカ!!」 肩に乗せられたのはBの肘だ。うざったい。払い除けると、おっと、とおどけた声があがる。大袈裟によろけてみせたBはにやにやと癇に障る笑みを浮かべていた。よくそれで他人に気持ち悪い顔だなんて言えたもんだな。いらつく俺をよそに、Bはまた肘を乗せてくる。 「なに、お前、Cに気でもあるわけ?」 「てめぇみたいな見境なしと一緒にすんじゃねえ」 払い除ける。今度はさっきより強めに。ったく、馴れ馴れしいったらありゃしねえ。 だが俺ははたと気がついた。 (そういやこいつ、最近よくあの2人と連んでるな) もしかしたら、2人の情報を手に入れるには最適の相手かもしれない。こいつを頼るのは癪に触るが、まあいい。懲りずに俺の肩を肘掛けにしようとしてくる手を叩き落として、俺はBのシャツの襟ぐりを掴んだ。そして彼の耳元に顔を近づ――もとい、Bの耳をこっちの顔に引き寄せる。 「あいつら、最近距離が近くないか?」 Bが不自然に身を固くする。……なんで? だが、気まずい間は長くは続かなかった。Bが俺の手を掴んで彼の襟ぐりから外させる。 「んー、まあたしかに……うん。近いのかもねえ」 彼はゆっくり俺との距離を空けた。 「最近おなじ漫画にハマってるみたいだし、その話じゃない?」 「いや、そういうのじゃなくてさ、こう」 くそ、良い説明が思いつかねえな。 空を捏ねるように手を動かす俺を、Bは腕組みをしてじっと見ていた。そのまま俺がなにか言葉をひねり出すまで待っているのかと思いきや、彼の表情は唐突に余裕ぶった微笑みに切り替わった。 「なあ」 Bが俺の顔を覗き込んでくる。いきなり近えな。俺はちょっとあとずさる。心の中でだけど。 「なんだよ」 「あの2人の関係が気になるの?」 「……ああ」 「それって保護者目線?」 「は?」 「じゃなきゃ友人として?それとも野次馬みたいな感じ?」 お前こそ野次馬じゃねえか。 俺はげんなりしながらも、探られて痛む懐もないので素直に答えた。 「保護者としても友人としてもだ。仲が良いのはいいことだろ。相性も良さそうだし、やり取りだって雰囲気がこう……丸くて」 「あー……」 Bが肩をすくめる。何故か口元が引き攣っている。ンだよ、感じ悪ィな。俺は彼を睨みつけたが、彼と俺の視線はぶつからなかった。Bは考え込むように空に目をやって、曖昧に笑ってから言った。 「じゃあ――あの2人が付き合うとしたら?」 「最高だな」 即答した。 最高としか言いようがない展開だ。可愛い弟と可愛い友人が恋仲になるだって? そりゃなんてパラダイスだ? 真顔で妄想に花を咲かせる俺を見下ろし、Bは呆れを滲ませた声で言った。 「目を輝かせちゃって」 「なんだよ」 「いや別に?」 ほんと好きだよな、あいつらのこと。 捨て台詞とすら思える投げやりな言葉を残し、Bはふたりのほうへと歩き出した。 ------------------- 以下、特に気になった部分への言及です。 >「C……と、Dか。なに、Aお前、Cに気でもあるわけ?」 このシーンの前に、AはCとDの姿を見てなにか考えているんですよね? ですので、Aがなにを見ていたのかは説明を足さずとも理解できる部分かと思います。 >ほんの少しの気まずい間が開いてやっと、彼は返事をした。 「ほんの少し」と「やっと」は相反する言葉では? どちらか一方を採用するべきかなと感じました。 >「なあ、2人の関係が気になるの?それって保護者目線?友人として?それとも野次馬みたいな感じ?」 〜〜「両方だよ。 みっつ選択肢があるのに答えが「両方」だと混乱するかも。おそらく「保護者目線+友人」のコンボだとは思うのですが。 >「いや別に?お前ってほんと好きだよな、CとDのこと」 ちょっと説明台詞っぽいかなあ。CとDについての話をしていることはこれまでの流れで明らかになっているので、ここは代名詞でいいかな。 >真顔でそんなことを考える俺とは対照的に、Bは呆れを滲ませた声で言った。 浮かれているAと呆れているBを「対照的」と表しているのだと思いますが、ちょっと浮いてるかも。多少表現を変えました。 >そうして彼は踵を返し、投げやりな言葉を残して2人の方へと歩き出した。 「踵を返す」のは「来た方向に戻る」ことを指しますので、今回は不適切かと(背中側、または横側からやってきたBが、Aの視線の方向に去っていくため) いろいろとしつこくすみません。こちらも勉強になりました。 参考になれば幸いです。
ちょっと趣旨から外れるかもしれませんが、全体的に日本語の使い方がちょっと変なのが気になります。 肩がのしっと重くなる→「のし」は重たい足音です。肩に重いものが乗るなら「ずしっと」が一般的かと思います。 情報が少なからず手に入る→「少なからず」は「そこそこ」から「すごくたくさん」という幅広い意味で使うので、実際手に入るであろう情報量がぴんとこないです。「そこそこ」という意味で伝えたいのであれば「それなりに」、たくさんという意味であれば「潤沢に」など、数量がすぐわかるような言葉のほうがわかりやすいです。 癪に触る→癪はムカつく状態という意味なので物理的に触れないため、「障る」が正しいです。ちなみに、この場合はなんかムカつくなあくらいの気持ちだと思うので、もう少しイラつきレベルの低い「癇に障る」でもいいかもしれません。もうひとつちなみにですが、癪と違って癇は触れるので「触る」でも合ってます。 踵を返す→踵の位置をもとに戻す=後戻りするという意味ですが、BがCDのほうから来たという描写がないので、「俺から目線を離して」などでもいいのではないかなと思います。 細かいなと思われるかもしれませんが、日本語の意味として伝わっているものを正しく使いこなせると、より描写が簡潔でわかりやすくなります。 こういう日本語の使い方はググればすぐ出てくるので(自分自身もわからなくてよく調べるので、余計に気になってしまうんですが……)、使い方に自信がない言葉は軽く調べてみるといいと思います! 語源などを調べて書くとさらに面白いですよ。
二つ目のほうに言及が少ないようなので 『そして、彼はくるりと向きを変えて、岸に向かってジャブジャブと泳ぎ出す。Aが付いてくるのを疑ってすらいないようだった。 「それにしても、A、君すごいね!あんなにずっと潜水していられるなんて!一体どんな肺の構造してるんだい?」 』 →喋ってるのはBですよね? 泳いでる最中ってそんな、喋れますかね……立ち泳ぎはあまり前には進まないのでは……という違和感が少し。 『彼とは対照的に、Aが泳いだ後には水飛沫ひとつたたないのだ。広くがっしりとしたBの背中が眩しい。空気も、水も、光も、全てが彼のためにあった。』 →Bの泳ぐ姿は騒がしく、Aは静かなのだなと読みました。しかし、三人称ではあっても常にA視点で書かれていたところに突然神視点が混ざってきたと感じて少し戸惑いました。(自分の泳ぐ姿は見られないのに水飛沫の様子がわかるのはなぜ? 誰からの情報だろう?) この引用部ではBの明るさ、たくましさ、他人を惹きつける魅力をメインに伝えたいのだと思うのですが、それならば前半のAへの言及は削って良いかもと思います。 全体としては楽しんで書いてらっしゃるんだろうなあと思いました!
トピ主です!たくさんのコメントありがとうございます! 取り急ぎの感謝を伝えさせてください。全てのコメントとてもありがたく拝読させていただいています……! 用事が入って数日間忙しくなってしまったためまとまった時間がとれず、ゆっくりになってしまうのですが、必ずひとりひとり返信します。 本当にありがとうございます……!!
こんばんは。①については十分そうなくらい集まっているので、私も②について書いてみようと思います。 トピ主さんの文が立派な文章ゆえに大きく直す所がない分、重箱の隅をつつくような指摘になってしまいますがお許しください。 私もまだまだ勉強中の身なので、話の読み違えや言葉の間違いがあったらほんとすみません! ---------- >母なる海だなんて言っても、還ることなどできないと分かりきっているだろうに。 第一段落でAの内面に思い切り踏み入っているので、A視点の三人称だと分かりました。するとAについて「だろうに」と推し測るのはおかしいです(詠嘆の微妙なニュアンスを表現したいのは分かります)。また、分かりきったことを強調したいのは分かりますが、それでも文章がくどいかなと感じました。「夢みがちな」と前にあるのであっさりした表現でも伝わると思います。 これを踏まえると「母なる海だなんて言っても、還ることなどできはしないのに」みたいになりました。 >専用の器具をつけてもっと深く潜れば、海の色は深く、暗くなる。 「海の色は深く、暗くなる」というのは形而上的で印象深い表現です。にもかかわらずすぐ前で「深く」が卑近な使われ方をしているので、インパクトが薄れてしまっているように感じます。避けるなら「もっと奥まで潜れば」とかでしょうか。 >眠りに落ちるような、重い黒。 「眠りに落ちる」と黒はイコールで結びつきません。正しくは「眠りに落ちるときのような」でしょうか。 前半読んでいていまいちイメージできなかったのですが、Aは海中どれくらいの深さで・どんな体勢で漂っているのでしょうか? 「海に素足を浸すと」に続くところを読んで砂浜からすぐの浅瀬だと思っていたのですが、「専用の器具をつけてもっと深く潜れば」と目の前に底は見えていないような描写が出てきて混乱しました。海岸が急深なのでしょうか。それとも岩場等から水に入った? 描写のないうちに泳いだ? とにかくAの周りを軽くでも描写すればもっと厚みが出ると思います。 >口から溢れ出た泡が光る水面に辿り着き、空へ向かって飛んで行く。 泡は水面まで飛んでいきますが、水面に辿り着いてからさらに飛翔することはありません。自由ですが「口から溢れ出た泡が海中を泳ぎ、空へ向かって飛んでいく」とか。 >どぷん、と近くで音がした。 すぐ前に「人の声が遠い」とあります。心配したBが海面で声を掛けたのでしょう(賑やかなビーチとは思えませんでした)。どぷんという音はBが海中に潜る時のものだと思いますが、その音が鳴ったのは水中ではなく海面のはずです。ほとんど同じ場所で発生した音なのにちぐはぐです。 あるいは声をかけた後で近づいたのかもしれませんが、とにかくBが近いんだか遠いんだか混乱します。 無駄な説明は省きたいシーンと思いますので、「近くで」を抜くか「わずかに」とかにしてしまったほうがよいのではないでしょうか。 >彼の体から現れた細かい泡が、光になって水面に溶ける。 印象的な描写が続くところです。ここで「水面に溶ける」と使ってしまったことであとの「海が、青が、彼に溶ける」の印象が薄れてしまっているように感じます。 海を通しすべてがBへ還ることを意識して「海に溶ける」とするか、重複を避け「消える」とするか。また自分ならさっき抜いた「光る水面」をここで使います。 動作の主体がBでないので、続く語尾のリズムの印象を薄めないために「溶けていく/消えていく」としてもよいかも。 前後しますが、「彼の体から現れた細かい泡が」は少し綺麗すぎる気がします。なんていったってBはすんごい慌てているのですから!(いいですよねこういうの……) 「人影を覆う激しい泡立ちが、光る海面に消えていく」とかでいかがでしょう。 >そうして視界が塞がれたと思ったら、Aの頭は気がつけば海の外だった。 「~と思ったら」と「気がつけば」で意味が被ってくどい気がします。「そうして視界が塞がれたと思ったときには、Aの頭は海の外だった」 >分厚い胸板から伝わってくる鼓動は絶える間が無いほど速い。 言いたいことはとてもよく分かるんですが、「絶え間がない」は途絶えないという意味なので絶え間がない状態が通常です。自由ですが、普通に「~鼓動は速い」とか「~鼓動の速さは尋常ではない」とか。 >「ああ、そっか、潜って……え? んん? 本当に? 君、ずいぶん長いこと上がってこなかっただろ?」 Bはなかなか上がってこないAを心配して海中に潜ったんですよね。それで(はたから見ると)ぼーっとしていたAを見つけて助けた。仮にAが超アクティブに潜水して泳いでいたのなら、海中に助けにきたBはそれでもAを助けたでしょうか。 話の中でBは、上がってこない→助けよう、ではなく、上がってこない→溺れてる!?→助けよう、という思考をしたはずです。つまり「Aは潜っているのではなく溺れている」という判断をBは一度したわけで、「ああ、そっか、潜って」となるのはおかしいです。納得しかけることもなく、いきなり「え? んん? 本当に?」と突っかかるべきです。 普段が三枚目風のキャラなのだとしても、心臓をばくばく言わせているのですからノリツッコミする余裕はないはずです。 続く「呆気に取られて力の抜けた彼の腕を」も気になりました。直前の台詞でBはハテナを4つも使うほどがっつり疑っているわけで、Aの言葉をまだ信じていません(その描写がありません)。呆気にとられるにはまだ早く、心配しているBはAをしっかり抱いていると思います。 BがAの言葉をあっさり信じる描写を入れるか、あるいは会話の流れを新しく考えたほうが良いと思います。 >水中からくぐるようにしてすり抜けてみせる 実際に水中からくぐったのですから、「ようにして」は不要だと思います。 >彼はくるりと向きを変えて、岸に向かってジャブジャブと泳ぎ出す。 も……もったいない! ジャブジャブ……この作品のムードに致命的に合っていない気がします(Bが泳ぎ下手設定あるならよいかも)。自信たっぷりで豪快な泳ぎ方なのでしょうか? 続く文でAへの信頼が滲んでいるので、前を閉じてふたつくっつけて「彼はくるりと向きを変え、岸に向かって泳ぎ出す。遠慮のない水飛沫は、Aがついてくるのを疑ってすらいないようだった」とか。 >「それにしても~一体どんな肺の構造してるんだい?」 Bは一旦止まって立ち泳ぎしているのか、それともあっという間に岸についたのか分からず、情景がイメージできませんでした。間になにか説明を入れた方がいいと思います。あとである「Bは相変わらず振り返らない」と合わせて調節する必要がありそうです。 >彼とは対照的に、Aが泳いだ後には飛沫ひとつたたないのだ。 Bの自信をたたえるような描写の中にひとつだけ混ざっていて違和感を覚えました。入れる順序や場所を変えた方がいいと思います。あるいはまるごと削るか。 >空気にさらされた頭蓋が重い。 この表現めちゃめちゃ好きです!!!!!! 水中から上がったときのだるい感じがすごくよく表現されていて、シーンも相まってすごく印象的でした!
アホ長になってしまったので分けました。続きです。 上記の点を踏まえ、誤字も直してみると、以下のようになります。 ---------- 素足を浸すと、海の青が染み込んでくるような気がする。膝まで浸けると透き通り、腰まで浸かると消える。頭までどぷんと沈んだなら、そうしたら、私の体は果てのない世界の中に、すり潰されながら、押し流されながら、無限に溶けてゆくのだろうか。 そんな風に考えてAは思わず笑った。単なる思考遊びだ。幼稚で、夢見がちな。母なる海だなんて言っても、還ることなどできはしないのに。 ……息を止めて、潜る。水が全身に絡みつく。 海岸は崖のような急深で、少し泳ぐと青が下に抜けた。専用の器具をつけてもっと奥まで潜れば、海の色は深く、暗くなる。それはきっと自分の細胞の色だとAは思う。眠りに落ちるときのような、重い黒。肺さえ潰す場所でなら、逆説的に呼吸ができるのではないだろうか。見たことのない底の世界に思いを馳せる。 人の声が遠い。仰向けの口から溢れ出た泡が海面を泳ぎ、空へ向かって飛んでゆく。それこそが、自分はここでは異物であるという証明に他ならないというのに。 どぷん、と音がした。 人影を覆う激しい泡立ちが、光る海面に消えてゆく。 逞しい腕が青を掻き分ける。海よりも青いBの瞳が、Aを捉える。海が、青が、彼に溶ける。目の奥が熱くなった。 今、自分は泣いたのかもしれない。Aは考える。しかし、それが涙なのか、海水なのか、Aにはとても判別がつかなかった。 Bの姿はあっという間に目の前まで迫ってきていて、そうして視界が塞がれたと思ったときには、Aの頭は海の外だった。 「大丈夫かい? 脚でも攣った?」 軽口のわりに、分厚い胸板から伝わってくる鼓動の速さは尋常ではない。腕の中で顔を上げ、Aは答えた。 「潜っていただけです。ご心配をおかけしてしまったようで……。申し訳ありません」 「潜って……本当に? 君、ずいぶん長いこと上がってこなかっただろ?」 「はい、潜っていただけです」 呆気に取られて力の抜けた彼の腕を、水中からくぐってすり抜けてみせる。彼は、Aの元いた場所とAの顔とを何度か見比べ、気の抜けた笑いを浮かべた。 「……うん、まあ、良かったよ。俺の早とちりで」 彼はくるりと向きを変え、岸に向かって泳ぎ出す。遠慮のない水飛沫は、Aがついてくるのを疑ってすらいないようだった。 「それにしても、A、君すごいね! あんなにずっと潜水していられるなんて! 一体どんな肺の構造してるんだい?」 途中で振り返ったBが、立ち泳ぎしながら語りかけてくる。笑みを浮かべた彼はこの場で答えが返ってくると思っていないのか、再び岸へ泳ぎはじめた。 広くがっしりとしたBの背中が眩しい。空気も、水も、光も、全てが彼のためにあった。 ……その自信に満ちた姿が、時折疎ましくなることがある。 空気にさらされた頭蓋が重い。 彼の背中に向かって、心の中で呟く。 ――分かってください。私はあなたが憎い。 どうしてか、祈るような思いだった。 ------- 軽く①にも触れると、地の文はまだまだあっさり味にできると思いました。②よりこちらの方がくどく感じたほどです。キャラは実際どう動くかな、どう感じるかなと想像を深くしてみると、心の中とはいえど思考を一から一まで呟きはしないと思います。書きすぎると幼く見えてしまいます。つなぎ部分ということで、書かない・メリハリをつけることも大事かなと思います(これは私も全然できていません涙)。 台詞は分割もありです。特に「……」で二つ以上の台詞を繋げられそうなとき、横着して一個の括弧に入れようとすると雰囲気が損なわれたりします(悲しい実体験)。句点を打つか、分けるのをおすすめします。 ””" 「んー、まあたしかに……」 Bは天井を見つめ、煮え切らない様子で言った。 「うん、そうかもねえ」 ””” とか。 個人的に「耳元に顔を……否、耳元を顔に引き寄せる」が好きです。情景が浮かびます笑 「耳元」は引き寄せられないので直し、ダッシュを使うともっと雰囲気が出るでしょうか。「俺は耳元に顔を近づけ――否、Bの耳を引き寄せた」 ②についてですが、表現したいであろう雰囲気伝わっています! トピ主さんは一人称よりも三人称のほうが得意なのかもしれません! 特に台詞をもっと直すとばっちりだと思います(①も)。 盛り上がりなので量を増やしたくなるのは当然ですし(よくわかります)、印象的な文がうまくはたらいていると思います。これが全編ならぐったりですが盛り上がりだけなら全然文句はありません! 全体的にもう少し改行を増やしてもいいかな? と思いました。長い段落は短い段落に比べるとどうあがいても読みにくいので……。 「て、」は濫用しない方がいいです。一時停止感が出てリズムが損なわれるので(コメ主はついつい使いがちになってしまいます……)。あとは「いく」「ゆく」の統一とか。 正直全文読んでみたいです~~! 超今更ですが、なんか、ド素人が偉そうに添削しちゃってすみません……しかもこんな長文で……。 上記は改案のほんの一例で、トピ主さんの微妙なニュアンスを損ねた箇所もあったかと思います。かえって無味無臭な感じになってしまったかも……あくまで参考という感じで……。こちらのサイトに入れると添削部分が分かりやすいです→https://difff.jp/ 普段は小説が激よわすぎてほぼ誰も見てくれない界隈でひとり寂しく創作しているので、人の文章をじっくり眺めるのがとっっても楽しかったです。すんっっっごく勉強になりました。トピ主さん、貴重な機会をありがとうございます!!
トピ主です!遅くなってごめんなさい。 さらに返信までありがとうございます……!! ①にも情景描写を足す……なるほど……! 削ることばかり考えていて全く思いついてもいませんでした。 全体的な雰囲気としても統一感が出そうですね……! ちょっと色々と考えてみようと思います。ありがとうございます〜!!
トピ主です!遅くなってごめんなさい。 さらに返信までありがとうございます……!! ①にも情景描写を足す……なるほど……! 削ることばかり考えていて全く思いついてもいませんでした。 全体的な雰囲気としても統一感が出そうですね……! ちょっと色々と考えてみようと思います。ありがとうございます〜!!
しつこくてすみません 最後の 真顔で目を輝かせる(私は目キラキラと書いた)Aってちょっと可笑しいですねw ギャグっぽい光景に思うか、人によって矛盾に思うかもかもしれません。私も先日は見過ごしてました。いずれにせよ意図されてなさそうなのでお伝えします。
遅くなってしまってごめんなさい。トピ主です! ①の文章の前のところにAがCとDを眺めてる描写があります!抜粋の仕方が良くなかったです、申し訳ないです…… たしかにキャラよりテンションによって口調を動かしがちかもしれないです……言われて気がつきました……!! 改めて自分で書いたものの台詞部分だけを拾って読んでみたのですが、本当にどちらがどちらか分かりづらくて…… 言われるまで気がつかなかったのがちょっと恥ずかしいです……本当にありがとうございます……!! 台詞ではっきり書き分けできれば字の文もより削りやすそうだなと思いました。 地の文が台詞から浮いてしまうというご指摘、本当に仰る通りだと思いました。 思い返してみると自分で喋って説明しているような、三人称と同じ心構えで地の文を書いてしまっていたような気がします。 一人称の場合は地の文もAが喋っているんだなと、分かっていたつもりだけど分かっていなかったことに気付かされました……!! コメ主様が添削してくださった文と見比べて、自分の表現がしつこかったのがよく分かりました。 自分で振り返ってみて思ったのですが、行動を一から百まで説明しようとして、それで同じような名詞や動詞が続いてしまっていたような気がします。 漢字間違い……!!ケアレスとかではなく、本気でやってました……!恥ずかしいです……!! ご指摘本当にありがとうございます…… 使い分けや誤用など、しっかり調べてから書く癖をつけようと思います。 彼に変えるのも強調するのも特に何も考えずやってしまっていました。手癖や好きな表現が無意識にぽろぽろとこぼれ出ていたような気がします…… 意味をもたせたい部分と持たせなくていい部分を見分けるよう、しっかりと意識して無駄なひっかかりを作らないように努力します! 本当ですね!「これ」と指示語を出しているのに前文と引き離してしまっていました…… 言われるまで意識の外でした。これから推敲する時に指示語や文同士の繋ぎにも意識して目を配ろうと思います。 ひどいミスだ……!!ご推察の通り、野次馬以外の2つです……ありがとうございます…… 本当に何を考えて文章を読み返しているのか……自分の注意散漫っぷりに涙が出てきます…… 添削文、基幹部分の表現が変わっていないのに一文一文がすっきりしていて、とても分かりやすかったです……! 装飾しないと何だか不安になってしまって、無駄にゴテゴテさせていたような気がします。 Bの態度についても本当に仰る通りで、実は推敲した時にBに関する情報をごっそり削ってしまっていたのですが、削っちゃいけない方を削って削らなきゃいけない方を残していたんだと猛省しました…… また、地の文をいくつか話し言葉風に変えてくださったと思うのですが、それだけで一人称っぽさがあって、やはり一人称の場合は主人公が話して考えているという意識が足りなかったのだなと思いました。 「ああ、もどかしい」の部分、めちゃくちゃ好きです……一人称っぽい…… 自分自身一人称視点に苦手意識があって、本当にどう書けばいいのかすら分からなかったのですが、コメ主様の書き換えてくださった文章を見て少し分かったような気がします。 勉強になりました。本当にありがとうございます……!!
どういたしましてー! 私はけっこうざっくりシンプル、テンポよく、言葉の重複なく、を心がけています。一人称大好きです。 本を読んでインプットも大事ですよ。 頑張って下さい!