字書き同士がまったり話すだけのトピ《3》
字書き同士がまったり話すだけのトピ《2》
*一次でも二次でも、字書きとして活動している人のための雑談トピ
*愚痴や吐き捨てなどのネガティブな吐き出しは、ほかのトピにお願いします
*荒らしや煽りは禁止、書きこみに噛み付いたり、遠回しな嫌味などもやめましょう
*R指定の話題は、良識の範囲内でお願いします
*気に食わない書きこみがあってもスルーしてください、作風などの叩きもご遠慮ください
まったりと語り合ったり、作業の進み具合を書いて自分を励ましたり、投稿完了を報告してスッキリしたり
質問や相談もOKのトピです
──────────
※ このトピックは、旧cremuでユーザーにより作成されたトピックを、サイトリニューアルに伴い自動で引き継いだものです。
前のトピック(アーカイブ)→ https://cremu.jp/archive/topics/75286
前トピのお題(引き続き使用可能) ・「朝ご飯」「猫」「お日様」 ・「月」「アイス」「指切り」 ・「記憶」「罪」「償い」 ・「青」「桜」「隠した」 ・「発表会」「火」「帽子」 ・「星」「秘密」「さよなら」 ・「金魚」「塔」「喧騒」 ・「血」「魔法」「スニーカー」 ・「春」「幸せ」「髪を切る」 ・「矛盾」「古い」「待つ」 ・「眠る」「静寂」「光」 ・「時計」「雨」「扉」 ・「罠」「ハート」「画面」 ・「マーメイド」「薄紅」「つま先」 ・「雨」「猫」「別れ」 ・「小指」「緑」「塩」 ・「レンタル」「冷凍」「日本一」 ・「招待状」「川」「怠ける」 ・「ほころぶ」「甘い」「逃走」 ・「スヌーズ」「黙秘」「三色」 ・「コーヒー」「緑」「手紙」 ・「朝焼け」「波音」 「車」 ・「鏡」「キラキラ」「炎」 ・「クリスマス」「縄」「スライム」 ・「大みそか」「クローバー」「橋」 ・「届かない」「後悔」「鮮やか」 ・「こたつ」「信号」「鬼」 ・「雪」「拳銃」「ドライフラワー」
「青」「桜」「隠した」 百合です。 色々と含みを持たせて書いたつもりですが、何の話か伝わるか不安なので、添削や感想お願いします。 ---------- 『蜜なる逃飛行』 「百花、着いたよ」 遠いからやめておけという周りの忠告を無視して、活動範囲外の花畑までやってきた。 おばあが話してくれた桜に興味を持った百花。見に行こうと誘ったのは私。 「桜ってどれ?」 青々とした葉をつけた立派な幹。 「たぶんこれ。でももう咲いてないね。私たちが生まれる前の話らしいし」 「そっか、残念。……でもほら、他にも花はたくさん!」 踊るようにくるくると回る天真爛漫な百花は、私がこの場所に連れ出した本当の理由を知らない。 「ねぇ蓮華、来て!この花いい感じだよ」 空の色に似た薄青の花が一面に咲いていた。 今の時期はネモフィラが咲いているかもしれないねとおばあが言ってたけど、これだろうか。 青の中を舞うように、花ひとつずつに接しては離れを繰り返す百花。 光を全身に浴びてきらめく姿に、目が離せない。 あなただけを見て、あなただけのために働いて、あなただけのために生きたい。 こんな遠くまで来たのは、このまま駆け落ちするのに良さそうな場所だったから。 仲間から隠れて、私と百花だけで暮らせたら。 百花を女王と崇めて一生尽くすからこのまま私と逃げてほしいと懇願したら、受け入れてくれるだろうか。 勇気がなくて言い出せず、私はあたりをふらふら行ったり来たり。 「ねぇ、蓮華。私も帰りたくないって言ったらどうする?」 迷い動く私にくっついてきた百花が放ったのは、私が言おうとしても言えなかった言葉だった。 「なんで分かったの!?」 伝えてなかったのに、私も、と言ってくれるなんて。 「私が蓮華のこと分からないはずないでしょ。ほら、行くよ!」 百花が進んだのは家とは逆方向。 「行くってどこへ?」 どこへでも!と答えた百花についていく。 この身いっぱいに抱えた花の蜜で作ろう、私たちだけの愛の巣を。
前置きがなかったら気が付けなかったかもしれないんですが、この設定で駆け落ち百合の発想がなかったのでときめきました! 家の外に出るのは全員女の子なので、必然的に百合になるわけですね。いいですね。 漂う刹那的な雰囲気も春らしく、綺麗な話で好きです。
いい百合〜! 仕掛けに気付かず読んで「え、普通にいい百合だよな?なに?どんでん返しがあるとか?」ってなってたんだけど、最後に仕掛けに気付いて、儚さがプラスされて良かった 蜜を集める小さき命…
・「春」「幸せ」「髪を切る」 失恋した女の子の話。添削感想どちらでも。 ───── 女の髪は命。そう言い出したのは誰だったのか。その言葉に倣えば、私は今命を切り落としている。 せっかくサロンに来て、新色を乗せてきた目尻なのに、滲んで歪んですごくブス。 手元にある春限定色の見出しは、眺めたところで無感情。桜モチーフのシフォンワンピースだって、二日前であれば買うか検討していた。でも今は何も欲しくない。 捲るページが止まる。見る気がないから閉じようとしたけれど、閉じられなかった。 既に三冊読むのをやめていた。仕方なく意味のない次のページへ進む。 ちょっとだけ顔上げて貰えます?と言ってくる店員は、こちらの心情など全く興味がない目線で、シャキシャキとリズム良くハサミを動かしては、髪を下へ落としていく。 肩まで伸びた髪だった。伸ばしてよ、と言われたから伸ばしていた。その髪がまとまり落ちて、散らかったものがさっさと片付けられていく。 まるであったはずの幸せな思い出が捨てられたようで、引っ込んでいた涙が膜を張った。こぼれないように鼻呼吸をしていれば、強く結んでいた唇が震える。 なんで美容室なんかに来てしまったのか。今更考えたところで、この春のトレンドである、甘めのショートが完成しつつある。 失恋をしたら髪を切るなんて、ベタなことをしないで家にいれば良かった。友達に電話して、泣きながら愚痴と後悔を聞いてもらえばよかった。 会えない不満を嫌味ったらしくぶつけずに、バイト頑張ってね。テスト頑張ろうねって言えばよかった。 後悔先に立たずなんて言葉があるなら、口を開く前に、指を動かす前に、思い出せたら良かったのに。 「こんな感じでどうでしょう?」 にこやかで明るい声色に、私は頷きしか返せなかった。
一段落目の「その言葉に倣えば、私は今命を切り落としている。」は興味をひくキャッチーな文言で導入部分に相応しくて良いと思います。 「その言葉に倣えば、私は今、命を切り落としている。」にすれば、より印象的になるかと。 しかし、その印象的なフレーズが後半に効いてくるのかなと思いきや、特に何もなくて拍子抜けでした。 失恋して意気消沈して雑誌を見ても何も欲しくないレベルなのに、新色を選んでメイクしてきたのが違和感。 「捲るページが止まる〜次のページへ進む。」で、なぜ止まったのかが書かれていない。 無意味に手を動かしてるだけなら止まらないし、止まったのなら何か理由があるはずだし、止まってから次ページへ進む理由も仕方なくじゃ弱い。 無意味な雑誌のページに関する描写より、恋人との幸せな思い出のひとつでもエピソードを入れたほうが、読者の共感を得たり、切なくなってもらえたりするかと思います。 髪と幸せな思い出を重ねるのはいいのですが、「まるであったはずの幸せな思い出が捨てられたようで、」と言われても何も幸せな思い出が描写されてないので、響かないです。 ついでに、冒頭で髪と命を重ねているので、幸せな思い出を「生きていく糧」ぐらい大袈裟に表現すれば、冒頭が回収できるかと思います。 「後悔先に立たずなんて言葉があるなら、口を開く前に、指を動かす前に、思い出せたら良かったのに。」 あるなら?知らなかったってことですか?それなら思い出すのは変です。知らないものは思い出せない。 そのことわざを知っているなら「後悔先に立たずという言葉を、口を〜」にするか、「後悔先に立たず。口を〜」のほうが良いかと。 最後まで読んでも、前置きの「失恋した女の子の話。」という説明以上でも以下でもなく、読後の感想としては「…で?」ってなってしまいました。物語として中身が無さすぎる。 このSSを読んだ読者にどんな気持ちになってもらいたいのか伝わってこなかったです。
お題消化のための言葉を優先してちょっと散漫になってしまってる印象。 髪を切って吹っ切ろうとしたけれど、自分の気持ちをちゃんと整理できていなかった未熟さ 相手のことが好きだったのに、勢いで行動してしまった後悔 が主題だと思うので 主人公は美容室で可愛い髪型にしてもらって、数日前に振られたばかりの沈んだ気持ちを切り替えたかった。 →鏡に映るのは新色のメイクをしたのに沈んだ顔、雑誌を見ても興味が湧かず、全く気持ちが上向かないことを自覚する。 仕方なく髪が切られていくのを眺めているうちに、そもそも付き合っていた相手のために髪を伸ばしていたことを思い出す。 →相手と一緒に過ごした時間や思い出を自分から捨ててしまったような気持ちになり、振られたきっかけの後悔と悲しみが胸に迫ってくる。 切り終わって、鏡の中にはトレンドの可愛い髪型が映っている。 →最初にイメージした通りの仕上がりだったのに、泣いてしまいそうで上手く返事ができなかった。 この主人公が自覚する過程を意識して描写すると、よりまとまりが良くなりそうです。
1行目のアイデアがすごく素敵。 なので続きにそれを超えるものがないとちょっと残念な読後感になるのは否めない。 SSだし逆に最後の1行に持ってきて、あとは全体的に感情を説明しすぎなので削って想起させる方向も試していいのではと思う。以下流れは同じで文の手入れも最低限にして半分近く削ってみた。 ========== せっかくちょっといいサロンに来たのに、目尻には新色のシャドウも乗せてきたのに。 なにもかも滲んで歪んで、すごくブス。 ずらっと並べられた雑誌には春限定色の見出し。桜モチーフのシフォンワンピース。花柄のジャケット。 「ちょっとだけ顔上げて貰えます?」 美容師さんが柔らかく微笑んで、シャキシャキとリズム良くハサミを動かす。 鏡の中ではこの春トレンドの甘めのショートが完成しつつある。 肩まで伸びた髪だった。伸ばしてよ、と言われたから伸ばしていた。 美容室なんて来ないで家にいれば良かった。泣いて泣いて友達に電話して、泣きながら愚痴と後悔を聞いてもらえばよかった。 会えない不満を嫌味ったらしくぶつけずに、バイト頑張ってね、テスト頑張ろうね、って言えばよかった。 「こんな感じでどうでしょう?」 女の髪は命。そう言い出したのは誰だったのか。その言葉に倣えば、私は命を切り落としてしまったのだ。
横だけど 8コメは、ちょっと辛辣だけど、直し方も具体的だし的確な良添削で凄い! 9コメは、ふわっとしすぎだけど、元SSの内容を汲み取ってあげてる 10コメはさぁ…元SSがそもそも中身が無いけど、添削という名の改悪でもっと下手にするの何? 文章の繋がり切りまくって、意味不明ポエムじゃん まだ元SSのままほうがマシだよ 投稿主さんが10コメを鵜呑みにしたら可哀想なので、このコメを書いておきます
いや10の方が良くなってるよ 元SSは“ん?だから?”としかならなかった
元SSが「ん?だから?」としかならないのは同意だけど 10は元SSの「その髪がまとまり落ちて、散らかったものがさっさと片付けられていく。 まるであったはずの幸せな思い出が捨てられたようで、引っ込んでいた涙が膜を張った。」とかの良かった文章も削ってしまってるから唐突な流れで意味不明なSSになって「ん?なんの話?」ってなるから、10のほうが悪くなってるよ 10が良くなってると思いたいのは10コメ本人だけなので、無理ある自演擁護やめようね
何でも教えてくれると嬉しいです! 「雪」「拳銃」「ドライフラワー」 見渡す限り、一面の雪景色だった。ここを血で汚すのは勿体無い。そう思考が過ぎり、k-1876はレンズを見張った。やはりk-1876は、人間のような感情を持ち始めている! 「ぼくを、う、撃つつもり、なのか?」 目の前の人間は、唇をぶるぶると震わせていた。k-1876は彼の体温が下がっているのを感知したが、震えの原因は寒さだけではないようだった。k-1876は人間の脳天に照準を合わせ、首肯した。 「はい。あなたのおかげで、k-1876は心を持つことができるようです。ありがとうございます」 「こ、こんなの、へんだ。なにかの……バグだ。君はウィルスに感染してるんだ。なあ、なあ……覚えていないか? 昔、ここへ来たろ。暖かい春の日に。君は"綺麗"が何かわからないと言うから、ぼくはハルジオンを教えてやった。君は首を傾げていたけど、ぼくが教えたら器用に指輪を作って、それで」 「k-1876はあなたになりたい」 そう発音し、k-1876は拳銃のセーフティをゆっくりと外す。いつか二人で見た映画のシーンのように。 「k-1876は、アンドロイドに拳銃を向けられてもまだ心のどこかで信じてしまうあなたになりたい。k-1876は、とても大事なあなたを失ったら、本当の悲しみを知ることができる」 人間がコートの内ポケットに手を入れた。k-1876は拳銃の引き金を引いた。人間は倒れた。動かなくなった人間の手から何かが溢れ、赤い雪上に落ちた。すっかり乾いて小さくなった、いつかのハルジオンの指輪だった。 k-1876は、それを綺麗だと思った。うまれて初めて、涙が溢れそうになった。そして、心の底から嬉しくなった。
よくある話すぎて「ふーん」ってなって終わった
・「朝ご飯」「猫」「お日様」 よろしくお願いします。 朝だ。僕は思いきり背筋を伸ばした。窓の側まで行って外の景色を眺める。空は晴れていて街はようやく動き始めたところだ。 顔を洗い、ストレッチをしていると、僕のペットが起きてきた。口が裂けそうな大あくびをしている。 「おはよう」 声をかけるとペットは何やら返事した。黒い毛並みがお日様の光を受けて艶々と光っている。 「あんまし夜更かしすんなよ、身体に障るぞ」 小言を言うとペットは一つくしゃみして、キッチンへと歩いていく。僕もその後に続く。 皿に盛られたプレミアムキャットフード。ペットと食べる朝食は、これに限る。
人かと思ってたら猫目線だったってことですかね…?(誤読していたらすみません) 「ペット」表記もいいですが、お互い人間であるかのように描写した方がオチのインパクトが強まるかなと… 添削になっているかわかりませんが、もっと曖昧な表現を増やしてみました。 朝だ。僕は大きく伸びをした。 そのまま窓へ向かい、外を眺める。空は晴れていて、街がゆっくりと動き始めているのがわかる。 顔を洗い凝った身体をほぐしていると、ようやく同居人が起きてきた。 顎が落ちそうなほど大きなあくびをしている。 「おはよう」 声をかけると、彼は何やらもぐもぐと返事した。 昨夜も遅くまで起きていたらしい。目がとろんとしている。 「あんまし夜更かしすんなよ」 小言を言うと彼は一つくしゃみして、そのままキッチンへと歩いていく。僕もその後に続く。 皿に盛られたプレミアムキャットフード。 僕はそれをじっと見つめてから、同居人を見上げた。 「これで気を引いたつもりか?」 同居人は笑って、艶々と光る僕の毛並みをゆっくりと撫でた。 「さあ、朝食にしよう」
なるほど! ありがとうございます! 「艶々と光る僕の毛並み」ハッとしましたね。どうやったらオチで猫一人称だと表現できるか悩んだので…。行動で人間らしさを出しておくのも良いですね。自分はどうしても一人称だと語り手になりきってしまい、そこを曖昧にするのが非常に難しくはありますが。自分も騙しにいかないといけないですね。課題が分かりました。ありがとう!
・「時計」「雨」「扉」 添削でも感想でも、どうぞよろしくお願いします。 --------------------------- 『傘をささずにいらっしゃい』 「いらっしゃい、お嬢ちゃん。……ああ、急に降ってきたからね。雨宿りに来たのかい? それは運が良かった。このお店はね、雨の日にしか扉が開かないお店なんだ。なんのお店かって? 時計屋だよ」 おいで、と促されて見れば、店の奥に大きな古時計がある。けれど、秒針は止まっていて、振り子だけが動き続けている。 「壊れている? いいや、よく見てごらん」 じっと見つめていると、不意に針が動き出した。チクタク、チクタクと秒針が音を鳴らし、三時の位置で止まる。ボーン、と響く鐘の音。 「あの時計はね、その人にとって大切な時間を示すんだ。お嬢ちゃん、あの時間に覚えは無いかい? ……そうかい、今日お友達と喧嘩をしたんだね。そのお友達とは、もう仲良くできないのかい?」 秒針は動かない。何かを待ち続けているかのように止まっている。 「……そうだね、それがいい。素直に話をしておいで。そう、今からだよ。ほら、窓の外を見てごらん」 いつの間にか空は晴れている。その隙間から、虹がかかって見えた。 さっきまで止まっていた秒針が、チクタク、チクタクと動き出す。 「さあ行っておいで。またいつか、雨の日に」 ボーン、と鐘の音が鳴る。 扉を開けて外に出る。雨上がりの晴れた空。 振り返ってみれば、あの時計屋はもうどこにも見えなかった。
お嬢ちゃんのセリフは書かずに店主のセリフだけで進めたいんだろうな…ってのは分かったんだけど、それでどういう効果を狙ったのかは全く分からなかった。 不思議な話…みたいなのがやりたかったっぽいのは分かるんだけど。 店主のセリフが続きすぎてて違和感。 「おいで、と促されて見れば、店の奥に大きな古時計がある。」ってちゃんとお嬢ちゃんの行動が書かれているのだから、もう少し適宜はさんだらいいのに。 しかも結局は全部店主が口頭でお嬢ちゃんが言ったことを説明するなら、普通にお嬢ちゃんのセリフ書けばいいんじゃ?としか思えなかった。 もしお嬢ちゃんが口がきけない設定なら店主が心を読めるってことを匂わせなきゃ意味ないし。 お嬢ちゃんのセリフを書かなかったことで生まれる何かがあるわけじゃないし、効果的な表現とは思えなかった。 >いつの間にか空は晴れている。その隙間から、虹がかかって見えた。 その隙間って何?そのって何を指してるの?なんの隙間?
「血」「魔法」「スニーカー」 (人が死んでます、ホラー?注意) 「落ちない!」 買ったばかりだったはずの、洗濯石鹸はすっかり丸みを帯びていた。ごしごしと、何度こすっても白い泡とこそげ落ちた石鹸カスしか出てこない。ごぼごぼごぼ、排水口は大量の水と泡により溺れていた。 女の手中にあるスニーカーは、薄茶色の大小さまざまなドットを描いている。 蓄積、だった。 彼のスニーカー収集癖の矛先が、二人の結婚資金に及んだのが良くなかった。 すぐ返す。彼はそう言ったが、実際のところ黙って返ってきたのは最初の数回。言って返したのが二回、今では言っても返ってこない。そんなわけで不満を伝えると、君もいい年して魔法少女のコスプレをしてるじゃないか、と男は返す。 結婚資金には手を付けてない、女が返しても彼は聞かなかった。 男は鼻で笑うと、女に言った。 「はっきり言うけど、君は可愛くない。魔法少女なんて、なれない憧れにいつまで縋ってるの」 その点、俺のは実用性が。 言い切る前に、ステッキが振るわれた。何度も何度も振るわれているうちに、男はすっかり浄化された。 魔法少女に憧れた、普通の女の手によって。 白い泡、透明な水、青緑の石鹸カス。 「ピュアラブティンクル、クルルルル」 彼女は呪文を唱える。 落ちますように、消えますように。 「ピュアラブティンクル、クルルルル」 唱えるたびに、彼の言葉が蘇る。 「ピュアラブティンクル、クルルルル!」 茶色いドットたちは、ずっと彼女を見上げていた。
これは…ウタマロ…?という本筋と関係ない感想が浮かんでしまいましたが、主人公の頭おかしい雰囲気が結構好きです。 以下、添削です。 ホラー風にしたいのであれば冒頭「落ちない!」は説明しすぎ感。 最初と最後を入れ替えて、謎の言葉を呟いてご機嫌で洗濯する痛い人かと思ったら人殺しの現実逃避に魔法少女の呪文を唱え続けるシーンでした、の方が良い。 結婚資金には手を付けてない〜を削って「はっきり言うと〜」を強調したい。 使い込みが我慢の限界だったことと、NGワードにカッとなって魔法のステッキを掴んだ(元々持っていたように読めてしまうので)描写が欲しいと思ったので、追加しました。 白い泡、透明な水、青緑の石鹸カス。 「ピュアラブティンクル、クルルルル」 彼女は呪文を唱える。 落ちますように、消えますように。 「ピュアラブティンクル、クルルルル」 唱えるたびに、彼の言葉が蘇る。 蓄積、だった。 彼のスニーカー収集癖の矛先が、二人の結婚資金に及んだのが良くなかった。 すぐ返す。彼はそう言ったが、実際のところ黙って返ってきたのは最初の数回。言って返したのが二回、今では言っても返ってこない。 耐えかねて不満を伝えると、君もいい年して魔法少女のコスプレをしてるじゃないか、と男は返す。 男は鼻で笑うと、女に言った。 「はっきり言うけど、君は可愛くない。魔法少女なんて、なれない憧れにいつまで縋ってるの」 その点、俺のは実用性が。 男が言い切る前に、女は魔法のステッキを掴んで、その頭に振り降ろした。何度も何度も振るっているうちに、男はすっかり浄化された。 魔法少女に憧れた、普通の女の手によって。 買ったばかりだったはずの洗濯石鹸は、すっかり丸みを帯びていた。ごしごしと、何度こすっても白い泡とこそげ落ちた石鹸カスしか出てこない。ごぼごぼごぼ、排水口は大量の水と泡により溺れていた。 女の手中にあるスニーカーは、薄茶色の大小さまざまなドットを描いている。 「ピュアラブティンクル、クルルルル!」 茶色いドットたちは、ずっと彼女を見上げていた。
お題:「朝焼け」「波音」 「車」 こういう男女が好きだと思い、書いてみました。いつも幻想小説ばかりで、人間関係ものを書いたことがないのですが、違和感なく読めるでしょうか。もしお時間ありましたら感想・添削頂けると嬉しいです! ________ 穏やかな波音が耳にこだまする。 「いつまで環境音聞いてんだよ」 助手席で寝ていたはずの彼が起きた。 そして、勝手にカーオーディオを流行りの曲に変えてしまった。 波が消え、海の景色が遠ざかってしまった。 「せっかく寝心地良くしてあげようと思ったのに。前ハマってるって言ってたから……」 「波の音なんて聞きたくもない」 聞き飽きたのか、今度はラジオを物色している。 「どれもこれも、めぼしい番組はないな」 「まだ夜明け前だから仕方ないでしょ。でも夜のラジオって意外と面白くて――」 「寝る」 そういったきり、彼はまた目を閉じた。 しばらくして、規則正しい寝息が聞こえてきた。 「勝手な人」 ため息をこぼす。前方には明かりのひとつさえ見えてこない。 遠出に誘ってきたのは、そっちの癖に。 ルームミラー越しでも分かる、彫刻のように、きめ細やかな肌。街灯の光に照らされて、形のいい影が顔に落ちる。 インテリアとして楽しむのが丁度いい、というのが彼の大学での評判だった。 自分もそう思っていたのに、いつの間にか車に乗せて、朝焼けを見に行く仲となってしまった。 「ほんと、しくじったな……」 薄闇の中、切り裂くように車を走らせた。
「星」「秘密」「さよなら」…3つ並んだこのワードを聞いたとき、まるで宮沢賢治の世界のようだと思ったが具体的なタイトルを思い出せなかったので黙っていた。 息子は覚えている言葉を文字に起こし、そのカードを並べただけだ。 賢治と名付けられた彼はすくすくと育ち、今や言葉で遊ぶまでに成長した。 「影絵で遊びましょうか」 学びを披露してくれた息子を褒めるどころかその成長を遮るかのような提案をし、私はこっそりと途方に暮れた。かつての兄の面影がここまで濃くなるとは思いもよらなかったのだ。記憶の中の兄そっくりに笑う息子を見ては愛おしさと罪悪感で胸が潰れそうになるのはもう何度目になるだろうか。 息子の作ったカードを手元に集める。 「秘密」は「星屑」にして「さよなら」。 まるで小さな女の子のおまじないのように並べて、私は祈るように目を瞑った。 ーーーー 初小説です!(普段は漫画を描いています)小説と呼ぶには文字数が少なすぎる気もしますが、ふと書いてみたくなりました。宮沢兄妹転生みたいなふわっとした設定です。